立法院(国会)は昨年5月末、自殺の防止を目的に「自殺防治法」を可決・成立させ、メディアが「自殺の指導、教唆、誘導を行う情報」、「個別の自殺事案における自殺方法と原因に関する詳細な記述」、「自殺に用いられる致命的な道具の販売情報」などを伝えたり掲載したりすることを禁じた。
衛生福利部(日本の厚労省に類似)ではこのほど、「自殺防治法施行細則」の草案を発表した。同草案ではメディアが自殺に関するニュースを伝える際には新聞の「頭版」(一面)やネットメディアのトップページで報じてはならないこと、過度に繰り返して報道してはならないこと、自殺原因を憶測で報じてはならないこと、写真や動画などを掲載してはならないことを明確に定めている。
衛生福利部心理及び口腔健康司(局)の諶立中司長(局長)によると、「頭版」には紙の刊行物、ネットメディア、スマートフォンで閲覧するページが含まれる。但し、著名な「公衆人物」(公人や有名人のこと)や内外の要人に関するニュースが自殺と関係した場合、人々の「知る権利」を考慮してこの限りとしない。
諶司長はしかし、「公衆人物」に関わるニュースであろうが、メディアは自殺の方法や原因を報じるのは避け、読者がそれを真似るのを防ぐべきだと強調。また、自殺と確定されないうちは、「自殺」という言葉を使うべきではないとしている。
草案が発表され、これからは各界の意見が集められる。このまま施行された場合、違反者には同法を根拠に10万台湾元(約36万日本円)から100万台湾元(約362万日本円)までの罰金が科されることになる。